私の初就職は食品加工会社でした。
決して製造業を望んで就職した訳ではありません。
家庭の諸事情により専門学校を中退した為、とりあえず就職しなければならなかったのです。
一年程は何事もなく勤務し、工場内作業は熟す様になっていました。
しかし、半年を過ぎた頃から何も変わらないという事に気付きます。
大手企業になるほど工程がしっかりしているので、誰がやっても同じ仕事が出来てしまうのです。
毎日同じ人に会い同じ作業を繰り返し、一生このままで終わってしまうのではないか?と恐怖にさえ感じました。
実際に20代で工場勤務を退職する人の理由
1位・人間関係(上司が嫌)
2位・つまらない(同じことの繰り返し)
3位・将来的不安に不安(リストラなど)
となっています。
自分の好きな事を仕事として出来る
私は高卒ということもあり銀行や証券会社など、ホワイトカラーの代表的な職業に就職する事は出来ませんでした。
ハローワークで就職先を探していた時、OA機器販売業者の募集が目に留まりました。
もちろん営業をした事はありませんでしたが、パソコンを触る事が好きだったので就職を決めました。
営業を始めてからは苦労の連続でしたが毎日充実していました。
常に新しい出会いがあり、新しい知識を得る事が出来る。
製造業時代にはなかった「やりがい」を実感する事が出来ました。
また、営業職はノルマや時間が長いといったイメージがある為、人が集まりにくい職業です。
自分の得意分野や興味のある業種を選ぶことが出来るのです。
平成28年度では「販売類似の業種」の有効求人倍率は2.79とかなりの高水準でした。
何故、若い時に営業職を経験したほうがいいのか?
では何故、若い時に営業職を薦めるのか?
私の経験上、若い時にしかできない事が多いからです。
1.30代になってからでは「知らない、分からない」が言えない。
営業職は対人のスペシャリストでなくてはなりません。
身なりに始まり、名刺の渡し方や礼儀作法など社会人としてのマナーは全て学ぶことになります。
もし、30代以上の人が礼節をわきまえない人であれば個人だけでなく、企業のイメージも悪くなります。
歳を重ねるごとに「分からない事」が恥になって言えなくなってしまうのです。
2.教わることが出来なくなる
約80%の人が目上の人に対して意見を述べる事に抵抗があると答えています。
社内であれば、仕事に関わる事ならば、指摘しなくてはならない事は多いのですが営業は社外の人間と関わる仕事です。
間違った事を言っても指摘してくれる人が少ないのです。
3.頭を下げる事が出来なくなる
営業職だけでなく仕事をしている限り、謝罪するという行為が無くなる事はありません。
全く謝罪をした事がない人は歳を重ねるごとにプライドが邪魔をし、謝罪が苦痛となります。
しかし、納得のいかないクレームなどでも頭を下げなければならない事は多くあります。
ネット社会となった現在では、一言の書き込みから企業の存在をも危うくするなどはよく聞く話となりました。
苦痛に思うかもしれませんが若い時から謝罪する行為を身に着けておく必要があるのです。
苦痛が多い分、自分の財産になる
営業職は大変な仕事です。
しかし、そこまでの苦労は確実に自分の財産になります。
営業を経験する事は実戦で心理学を学んでいる事と同じなのです。
仕事をしていく限り人と接する事は無くなりません。
一生を通して営業を行える人は2割ほどしかいませんが、人生の大きな財産になります。
私は7年間の営業職を経験し、今は製造業の管理職を務めています。
営業を行う事は少ないのですが部下との接し方に今までの苦労が大きく役に立っています。
結果、製造業の退職理由1位である人間関係を少しでも軽減出来ていると考えています。